「愛する」について その1

超介です。

 障害をもった子供たち20人ほどと一緒に2泊3日のキャンプを行いました。といってももう35年以上も前のこと、私は大学の2年頃であったと思います。脳性まひの小4男子のM君を担当しました。瀬戸内海の島の学校の体育館を借りて寝食をともにしました。

 そのボランティアのメンバーは20歳前後の女子が中心になっていました。M君は車椅子でもあり、介添えに体力がいるので、数少ない男子の私が選ばれたのです。食事から、海水浴、ゲーム、キャンプファイヤー、盆踊り、もちろんトイレも全部介添えが必要でした。彼は言葉がうまくしゃべれません。話しかけて、イエスかノーかを聞きながら生活をしていきました。

 体重が1,2キロ落ちるほどの体力を使いましたが、最後の日、別れの時刻が近ずいてきて、ふと彼を見ると泣いています。分かれるのがつらいと泣いていました。私は、はっとして、彼の心が開いていることを感じました。そして彼の肩に手をおいて「ありがとう」を何度も繰り返し、彼を見ていました。

 最後のメニューはメンバーと子供たちが同心円を描くように並び、音楽に合わせて最後の握手をして回ります。みんな泣いていました。私も泣きながら、参加してよかったと心からその場に感謝しました。

 愛について書こうと思いついたとき、このことを一番に思い出しました。彼らは私に愛について教えてくれました。大切なこと、守りたいことについて思考し行動することが「愛する」ということであること、そのように思考、行動できるとき、豊かな気持ちが自分の中に立ち起こることを教えてくれたのです。

3 thoughts on “「愛する」について その1”

  1. そら@内藤です。
    私も大学時代に重度の障害を持った子と
    出会ったことが今でも忘れられません。
    私はそのとき、自分の戸惑っている心を
    見抜かれているような不安を感じました。
    それを教えてくれた目をはっきりと覚えています。

  2. キヨシです。
    言葉にすると一言になりますが、
    その意味を探ってみると、
    いろんなものがありますね。

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