アンダーマイニング効果(内発的動機付けの低下)

教育コーチのGです。

「課題の成績に応じた金銭報酬が課題への自発的取り組み(内発的動機)を低下させる効果を反映した脳活動を捉えることに世界で初めて成功。」

というニュースが流れました。

詳しくはこちらをクリック(実験に関する詳しいpdfファイルも掲載されています)

このように、何らかの報酬(外発的動機付け)が意欲(内発的動機付け)を低下させることを、アンダーマイニング効果といいます。

動機付けの問題については、ブログでこれまでにもお伝えしてきました。

過去のブログ『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ(著者:エドワード・L・デシ)』の書評はこちらをクリック

デシのように、金銭的報酬が内発的動機を低下させるということについては、主に心理学の分野で実験がなされ、その効果が実証されてきましたが、

今回は、fMRI(ウィキペディアへのリンクはこちらをクリック)を使用し、脳科学的にこの効果を検証したというところにその意義があります。

今回の実験内容は、まさにデシが行った実験に酷似しています。

その実験概要をお伝えすると、

「課題の成績に応じて金銭報酬が貰えるグループ(報酬群)と、金銭報酬のことは伝えられていないグループ(対照群)とに分けた。

 課題は、自発的に楽しむことのできる課題(ストップウォッチを押して、できるだけ正確に5秒で止める課題)とそうでない課題(ストップウォッチが自動的に止まった後に、機械的にボタンを押す課題)を課した。

 課題終了後に、報酬群は結果に応じた金銭をもらい、対照群は報酬群と同額の金銭をもらった。

 報酬を貰った直後の3分間の自由時間に、対照群は、実験に用いた課題を自発的に頻繁に行ったのに対し、報酬群は、同じ自由時間に、この課題を自発的に行うことはほとんどなかった。」

実験結果についても、デシのものと同様ですが、

fMRIによる脳活動測定においても、同様の示唆が得られたというものです。

金銭などの報酬による外発的動機付けが、楽しさや達成感、やりがいなどによる内発的動機付けを低下させる。

私も、親として教育者として、心しておきます。

2 thoughts on “アンダーマイニング効果(内発的動機付けの低下)”

  1. キヨシです。
    テストが100点だったら○○買ってあげるよ。
    1番だったらご褒美で○○だよ。
    結果的には、何かがもらえないと何もしない。
    本当に心しておきます。

  2. なるほどー。面白いですね。
    確かに、お金もらうことが目的化すると、
    過程は二の次になるなあ。

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