本との出会い(2)

 理想と現実のギャップを埋める修行をする超介です。

 以前から読んでみたい、と思っていた本に書店で出会いました。11月の書籍購入予算はオーバーしていましたが、『人生への投資、投資、・・・』とつぶやいて買ってしまいました。それがこの『コーチングリーダーシップ』です。副題に『神戸大学ビジネススクールで教える』とあります。Gさんが著書を紹介されていた金井先生、そしてビジネスコーチング界の伊藤守さん、鈴木義幸さんの共著です。

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 最初の章で組織行動論の流れを金井先生が説明されていますが、心理学、認知科学等やら組織論のうねりが概括されています。私が興味をもって体験的にも学んでいる内容がどのように発展してきたか、大変わかりやすく書かれていました。

 コーチングについては著者のうちの2人の専門家の著書を何冊か読んでいましたので、比較的容易に理解できました。コンパクトにまとまっています。特に興味深かったのは企業への導入の効果が数値化されていること、そして導入の実例です。

 企業で求められる人材と現実の人材とのギャップから、組織の運営の仕組みが理想からは遠いこと、でも逆にうまく組織が変われば大きな成果がありうることを思いました。導入実例では大手飲料会社と、電力会社が紹介されていますが、会社で働いている私には結構リアルでした。

 「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の蓄積」という表現にすっきり感がありました。私が知らなかっただけでしようが、的確に外形を捉えた謂いであると思ったのです。

 この言葉に関わる個所をあげてみると

  

「人と人との関係性は、いわゆる組織の基盤であり、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が蓄積されることで組織のパフォーマンスは必ず高まると考えている。」

  

「人と人との関係性の問題に正面から取り組もうとする企業は、残念ながらだ少数派である。」

 

ありがちな組織風土として3つの型が紹介されています。「孤軍奮闘型」「井戸端会議型」「軍隊型」、後の2つは大体想像できると思います。一番目は次のような説明があります。

 

 「「孤軍奮闘型」の組織は「自分はこの会社にいてもいいのだろうか」と社員が 不安感を感じる状態にある。それぞれが自分を守ることに精一杯で、人とかかわらないようにす る傾向が強い。逆に他人の気を引くために怒ったり、すねたり、人を攻撃したりする行動もみられる。」

 

 私は自身の会社人としてのあり方を振り返り、大いに反省しました。怒ったり、すねたりはしていないつもりではありますが・・・・。どちらかといえば孤軍奮闘型的であり、そこからくる不安を抱いていることがあることを・・・・。そうして課題に気が付きました。

 それから組織の未来、リーダーの能力に関しての記述として

   

「チームを構成する一人ひとりがバリューチェーンにおける自分の仕事の意味やつながり、楽しさを見つけなければ生産性は高まらない。」

   

「自己認識を高く持ちながら、伝統的な組織図にある枠や境界線を越えて、フ ァンクションや場所、社外の利害関係にまたがって効果的に仕事をする能力 が必要とされる。」

当たり前のことかもしれませんが、組織の一員として使命を感じました。 

 いくつかの部門がある組織で働いている人、組織内コミュニケーションに興味がある人にお勧めの一冊です。

One thought on “本との出会い(2)”

  1. キヨシです。
    自分の成長と企業の成長がともにできる
    環境や組織が大切ですね。
    どこまでも人のつながりですから、それが
    支えになると思います。

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