久米冴季氏(国際交流団体勤務)

2007−2008年にJYDAのプログラムでカリフォルニア州に留学し、現在は国際交流事業の仕事に就いています。 あの留学は、人の優しさを知り、自分の無知を知り、そして何より生きる基礎体力をもらった1年間でした。

物事に受け身で自己表現力に欠け、そもそも自己なんていうものの欠片もなかった当時15歳の私は、カリフォルニアの強烈な日差しとヒスパニックの友人、個性豊かな先生たちによって大きく図太く成長しました。 学校初日に1人ぼっちで食べたツナサンドの味も、ホストファミリーとの関係に悩んだ夜も、 毎日がサバイバルだった留学生活初期のことは今でも思い出せば焦りや苛立ちが蘇ります。 振り返れば、その葛藤の中でこそ大きな内面の成長があったと確信しています。

「英語力が身に付くのは、大きなおまけ」―その通りです。語学力よりも得難いもの、他者との関わり方、既存の枠組みや常識にとらわれず自力で生き抜く力を数々の失敗や後悔や涙の先に得ることができました。

自分の弱さや無知を認め、意外な度胸と馬鹿力に気づき、それを磨くには、コンフォートゾーンを出る他ありません。

高校生にとってそれは大きな冒険ですが、10代だからこその「怖いもの知らず」の力で、周りに助けを求めながら、一生ものの経験を積むことがきるのが高校留学だと思います。

大学では国際法を専攻し、卒業後は都市銀行に就職しましたが、2年で現職に転職をしています。高校を卒業すると道はどんどん枝分かれし、自分で選択をしなくてはなりません。1つ1つ吟味し、自ら考え選び取っていく主体性と行動力はあの留学なしには身に付きませんでした。

 

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