村田英理子氏(旧姓:平木)(主婦:大手製鉄会社勤務 現在育休中)

【広い世界への扉を開くキッカケに】

私がアメリカの地に渡ったのは16歳の夏。最初の3ヶ月は、それまで味わったことのないほどの寂しさと挫折を味わいましたが、徐々にコミュニケーションが取れるようになり、日常生活も楽しめるようになりました。留学当初は悔しくて流していた涙も、帰国の時には借りたくなくて流す涙に。この1年間の経験によって、その後の人生の豊かさがこんなにも広がるなんて想像もしていませんでした。

16 歳で見た本物のアメリカ。ホームステイ先は、人よりも牛が多いような村で、3階建以上の建物もありません。英語は文法なんてお構いなし、ハンバーガーは味がなく肉も硬い。日常生活のほぼ全てが、思い描いていた「憧れのアメリカ」のイメージを砕いたのです。でも、高校生という多感な時期に触れたこのリアルな世界が、私の価値観を広げ、広い世界への扉を開いてくれるキッカケとなりました。今の私のスタートラインです。

そして年月が経ち、本当の意味で英語を活かせているのって、今かもしれません。
プロラグビー選手である夫のチームには、母国を離れて日本でプレーする外国人選手も多くいます。いわば、当時の自分の立場です。

言葉が通じず、右も左も分からない。そんな時に、そっと寄り添ってくれたホストファミリーがどれだけ心の拠り所だったことか。
彼らとは家族ぐるみの付き合いになり、お互いの文化をシェアしたり、地域の農家さんのところで一緒に農作業をしたり。そんな生活をしながら、当時の夢だった「日本と海外の架け橋」に少しでもなれていれば幸せだなぁと思っています。

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