太田敬一郎氏(弁護士)

私が開設する法律事務所には、日々、法律相談のために人が訪れます。
目の前にいる相談者はほとんどが日本人であり日本語を話しますが、そうだからといって相談者が語りかけた
い内容を私が阿吽(あうん)の呼吸で理解できるわけではありません。

相談者と私の共通点はわずかに日本語というツールを使って会話をできるということに限られているとも言え
ます。生まれも育ちも異なる相談者と弁護士がある案件について共通の理解に至るためには、「わかってもら
いたい」という相談者の想いと「わかってあげたい」という弁護士の想いが重なる必要があります。

この想いがあれば言語が異なる者どうしでも理解し合うことは可能ですし、それがなければ日本人どうしでも
想いは通じません。目の前の相手が自分とは異なる存在であることを認めつつ、相互に分かり合うことができ
ることを信じること。

その確信の基礎には20年以上前の高校生の多感な時期に約1年間を米国で過ごした経験があると思います。
留学体験は確実に今に活きていると言えます。

 

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