かけはし vol.12
9/34

 ナーノック村を後にして、ナードン村小学校に向かう。前述の横国大のサークルが中心となって建設を進めている学校だ。到着後、サークルメンバー約20名が参加して、図書館の着工式が執り行われた。ここでも村の人たちの歓迎を受けた。さくら国際の生徒たちは折り紙を一緒に楽しんだり、ミニ運動会を通じてすっかり打ちとけている様子。ナーノック村でのホームステイを経て自信をつけた生徒たちからは、日本では見られなかった笑顔が自然とあふれ出していた。ナードン村の子どもたちにも生徒たちからサッカーボールを贈り、サッカー大会を実施した。横国大のサッカー経験者も舌を巻くほどラオスの子どもたちはサッカーが上手い。もちろん裸足だ。 修学旅行もいよいよ後半に突入。人と人とが助け合いながら生活しているラオスの人たちの姿は、参加した者それぞれが「何か」を考えるきっかけとなったことだろう。 この日は元駐日大使シートン氏のご自宅に招待され、急きょ訪問が決まった。手作りの料理をご馳走になり、大変な歓迎を受けた。生徒たちは緊張しながらも立ち振る舞いやマナーなどを習得する良い機会になったようだった。 最終日はワット・シーサケート寺院、タート・ルアン大仏塔、涅槃像などの観光名所を訪れた。小鳥が入った籠が「籠から鳥を放してあげると願いごとが叶う」と、観光客たちに売られていた。 ベトナム戦争時に投下された爆弾などの資料館「コープビジネスセンター」も訪問した。戦争中、上がった。 また、日青協のチャリティ企画委員会からの寄付として、サッカーボールをプレゼントした。さっそくそれを使って現地の子どもたちと対戦、彼らは全員裸足ながらとにかくサッカーが上手!合結果は9対1で日本チームの惨敗に終わった。 夜は、ホームステイを体験。それぞれのホストファミリーが学校まで迎えに来てくれた。村の皆さんは忙しい中、事前に衛生面や文化の違いなどについて講習を受けていたという。日本から来る子どもたちをラオスはハノイからホーチミンに入るルートとなっており、アメリカ軍から大量のクラスター爆弾心から歓迎しようという気持ちを感じて、胸が熱くなった。全ては荒井理事長が地元のコーディネーターとの関わりを深められ、信頼を得ているからこそ実現できているこ 試とである。 かくいう私も、ラオスでのホームステイに初挑戦した。言葉の壁を超えるべく、あらかじめ学校が用意した「おはよう」「トイレに行きたい」などの定型文とイラストが書かれた「指差しボード」を駆使して、ホストファミリーとのコミュニケーションを図った。が投下された。ラオスは爆弾投下数世界1位という悲劇とともに生きている国なのだ。ベトナム戦争の爪痕が残るラオスでは、今でも子どもたちによる不発弾の事故が起きているとのこと。生徒たちはどのような思いでこの現実を受け止めたのであろうか。特集HSK日本実施委員会チャリティ企画委員会指導者育成委員会国際交流委員会スポーツ委員会キャリア教育委員会環境教育委員会会員拡大・広報委員会会員・異業種交流委員会後記ラオスでの運動会やイベントの後、率先してゴミ拾いをされている荒井理事長の姿が印象的だった。ラオスの人々もきっと荒井理事長のそのような姿に影響を受け、心を動かされたのではないかと実感した。そして、参加した生徒ひとり一人に真摯に向き合い、連日夜遅くまで子どもたちにとって最善の対応を模索されていたさくら国際の先生方に、心からの敬意を表したい。ラオスの家々には、電気は通っているものの水道やガスはなく、水は井戸水や溜め水を使っている。一方で、インターネットやスマートフォンなどは普及しており、段階を経て生活水準を進化させてきたわれわれ日本人から見ると不思議な印象を受ける。多くの家は高床式で、台所の床下はアヒルが放し飼いになっており、残飯がアヒルのエサとしてリサイクルできるよう餌落とし用の穴がある。朝日が昇るころ、アヒルたちの「ガー、ガー、ガー」という鳴き声で起こされるのだが、かわいいアヒルが翌日の朝ごはんになっていてビックリする…。まさに「自然と共に生きる」ということを、子どもたちも体感したことだろう。76日目5日目本田事務局長のホームステイ記4日目Laos Report

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る