かけはし vol.12
6/34

4「自然との共存」を信念にマングローブ植林活動を続けて20年そこから得られるかけがえのない財産とは~日青協を支える人々の活動~――ベトナムに植林をしようとの著作『緑の冒険(岩波新書)』を手にしたのがきっかけです。中東の砂漠にマングローブを植林する人の話で、何度苗を植えても潮の満ち引きによって苗が波にさらわれてしまうという悪環境の下、あきらめずに植林を続ける生き様に共感しました。後日、出版社経由で向後氏に直接会い、感動を伝えたところ、「ちょうどベトナムでマン思ったきっかけをお聞かせください。増澤:30代のころ、向後元彦氏お返事されたのですか。増澤:その場で即決快諾です。塾の経営と結びつくものがあったということでしょうか。増澤:子どもたちの教育に携わ協の有志会員による現地視察も実現しました。増澤:そうですね。この視察旅感服しております。塾経営には直接結び付かないように思われますが、社員を常駐させてまで支援を続けるその熱量はどこから来るのでしょうか。増澤:環境教育の重要性を子どはもちろん、「森」ができるまで長年にわたり活動を継続されていることが素晴らしいとグローブ植林をしようと思っているんだけど一緒にどう?」と誘っていただいたんです。――すごい行動力ですね。どう今にして思えば、あれが運命の出会いでした。――マングローブ植林が、何かりながら常々考えているのは、子どもたちの未来です。世界規模の自然破壊や地球温暖化といった環境問題にも危機感を抱いていました。創業時から奄美大島など自然豊かな場所で勉強合宿を行い、木や水、空気に触れたり、図鑑で見たカニやドジョウのヌルヌルした感触を味わうような実体験の機会を大切にしてきました。その枠を海外に広げ、子どもたちにベトナムで植林体験をさせたいと考えたのです。僕は「考えてから動く」のではなく「動いてから考える」、いや「走りながら考える」タイプなので(笑)、翌1997年にはもう子どもたちをベトナムに連れて行きました。その後、塾の経営者仲間たちも視察に参加してくれました。――昨年(2018年)は、日青行の目的は、ベトナムの地での日本語教育や塾の視察でした。せっかくだから足を伸ばして、「戦争博物館(ホーチミン戦争証跡博物館)」や植林活動の現状もたちに伝えたいという思いです。参加者の中には環境問題について自らの目線で感想文を書き、優待参加に選ばれて参加する生徒もいました。ベトナムではホームステイも体験するのですが、保護者の中には抵抗を感じる方もおられました。それでも毎年10名前後が参加を希望し視察もスケジュールに入れてもらいました。ベトナムのマングローブ植林は、ベトナム戦争の枯葉剤散布などによって自然破壊がされたという歴史的背景と繋がっています。今回、戦争博物館を訪れて、人間が戦争で何をしたのかを受け止めることで、マングローブ植林の意味がより深く伝わったと思います。――植林活動そのもの「支援活動と経済活動は、   どちらが欠けても前に進むことはできない」――。利潤の追求だけでなく、1本のマングローブから国立公園を作るという植林活動を通じてベトナムを支援し続けている増澤空会長。尽きることのないビジョンをさらなる未来へ繋げるべく歩み続ける増澤会長に、そのエネルギーの源についてうかがった。(聞き手:本田恵三事務局長)一般社団法人日本青少年育成協会 会長株式会社ティエラコム 代表取締役社長トトッッププイインンタタビビュューー特集増澤空

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る