かけはし vol.12
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9――生徒たちはこれまでそういけで、家族とも上手くいかず、自己肯定感も低く、「このままじゃいけない」と思いつつも登校できずに悩んでいた子どもたちでしたから。そんな彼らが、電気も水道も携帯もない、テレビもつかず、高床式のトイレで人間の排泄物がそのまま豚や牛の餌になるような環境を目の当たりにして、「こんな世界があるのか」と衝撃を受けたのでしょう。さらに、そこで楽しそうに過ごしている村の人たちの姿に、「自分たちは今まで何を分かったつもりになって生きてきたのか」とショックを受け、そんな自分自身に対しても涙したのだろうと思います。――村の人たちが、生徒たちにった経験がなかったんですね。荒井:日本では1日中ゲーム漬与えたものが大きかったと。荒井:生き生きしている生徒たのラオス小学校建設活動が恒例化していったのですね。荒井:生徒たちは元気になって率する先生たちへの想いや期待を聞かせてください。荒井:先生方にとっても非常にいつから始められたのですか。荒井:第1回から参加者全員ホたと思うのですが。荒井:はい。ラオスは多民族国荒井:衛生面は大丈夫か、スクもあっ変化とは。荒井:当校の当時の生徒たちはめ、なんですね。荒井:たった数泊なのに、別れちのためを想う荒井先生の理念に、先生方も賛同されているのですね。荒井:生徒たちをどうやって成大変勉強になりました。ちの様子を見て、我々はたった1週間で彼らを大きく変えるエネルギーを村の人たちからいただいた、勉強させてもらったと感じました。ラオスの人たちがとても心の美しい国民性であることもあり、この体験がどんな座学よりも素晴らしく効果的であると痛感し、継続させていくことになりました。――そうして、さくら国際高校ラオスから帰国します。親御さんに帰国後の様子を聞くと、「家族とろくに話もしなかった子が、帰国してからずっとラオスの話をしています。こんなことは初めて」とおっしゃるんですね。ラオスでの経験は彼らに本当に大きな影響を与えています。――ラオス小学校建設活動を引良い勉強になっています。学生時代にボランティア経験をお持ちの方もいますが、ラオスの村で歓迎を受け、「村の人たち全員が子どもたち一人ひとりを見て育てている」という、まさに教育現場のような環境を目にして、「ただ成績を上げればいい、卒業させればいい」といった考え方ではこの村の人たちにも申し訳ないと感じるようです。――ラオスでのホームステイはームステイでした。子どもたちがその国の文化を直に感じるにはホームステイしかないと思っていました。受け入れてくれる村の人たちとの信頼関係を築く上でも重要ですから。―― 1回目から家で、当時は反政府ゲリラによって外国人が命を奪われる事件も起きていたので危険性もありました。しかし、村の人たちに「あなたたちにお預けしますよ」という信頼を示すことが大切だと思ったのです。―― たしかにそうですね。ラオスには病院がほとんどないので具合が悪くなってしまったらどうするのか、などの議論もありました。実際に体調を崩して皆と一緒に帰国できなくなりそうな生徒もいましたが、信頼関係を築くためにはホームステイしかないと信じ続けています。――生徒たちに期待した成長、ほぼ全員が不登校で、家庭でもトラブルの連続でした。辛うじて当校に通っているものの、親との関係は必ずしも良好ではなかった子たちです。昨今の日本では、子どもは何もしないでふんぞり返り、食事も全て用意してもらい、好きなように暮らして学校にも行かせてもらうのが当たり前になっている。そんな環境に生きている生徒たちが、ラオスの村で自分たちと全く異なる現実…祖父母から孫までの3世代が豚や牛やニワトリの世話や家事を分担して、力を合わせて暮らしている姿を見るわけです。貧しいけれど皆が毎日を笑顔で楽しそうに生きている姿に衝撃を受け、生徒たち自身もあらためて自分探しをするようになります。小綺麗なホテルに宿泊して村を訪ねるだけでは、そこまでの気づきは生まれません。――なるほど。本質をつかむた際にはまるで我が子との別れのように泣いてくれる村の人たちの姿から、生徒たちは失っていたものを取り戻しています。――リスクを負ってでも生徒た長させていくのが良いのか、先生方は常々考えています。当校の生徒たちは歩いているステップの度合いや学力、その他能力や個性にもかなりの個人差があり、それらをいっぺんに引き上げることは難しい。先生方も、ラオスでの経験を通じて生徒たちがそれぞれワンステップもツーステップも上がってくれることを大切にしていますし、その効果を感じてくれていると思っています。――ありがとうございました。特集HSK日本実施委員会チャリティ企画委員会指導者育成委員会国際交流委員会スポーツ委員会キャリア教育委員会環境教育委員会会員拡大・広報委員会会員・異業種交流委員会!? リLaos Report

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