「わが母の記」

教育コーチの なおです 

先日 映画「わが母の記」を観ました
井上靖さんの自叙伝的小説の映画化

詳しい内容には 触れませんが

親のこと 知っているようで 知らない
      分かっているようで 分かっていない。

私には 会ったことがない 兄がいます
私が生まれる前に 幼くして亡くなった兄です

第一子を 水の事故で亡くし
その後 4人の子を 育てた母

私達4人の前で 
その兄のことが話題になることは殆ど無く 
幼い遺影の存在だけが 確かなものでした

曾おじいさんや曾おばあさん達の 
法事は キッチリやるのに
兄の法事は記憶にありません

ところが 私が 40歳の頃 
お茶を飲みながら ふと母が
「もう 50年もっ経ったんやけん 許してもらってもよかろうか?」
何???

母の目線が 仏壇に向かっていました
何のことであるか即座に理解できましたが
言葉が見つからない 
何か言わなければ・・・・
「よかさ〜」 そう言うのが精一杯でした

戦争が終わり やっと訪れた平穏な暮らし
そんな中 第一子が事故で亡くなる
どんなにか 落胆し 悲しみにくれたことか
母が仕事に出ている間の出来事
母の責任ではない  
でも 自分を責めることで
わが身を かろうじて保った

そして、50年間 
流した涙を一滴も漏らさぬように 掌を握り締めていた

今なら

「母さん 自分を許すのは 自分。
  許したかったら 許せばいいし
  まだ 許せないなら そんな自分を許せばいいよ」

って言える。 

6 thoughts on “「わが母の記」”

  1. キヨシです。
    私にも兄がいます。
    その上にはもう一人兄がいました。
    生まれる前に大きくなりすぎて、
    胎児か母体か選択を迫られて、
    苦渋の決断をしたことを両親から聞きました。
    命の尊さ。
    なおさんのこと全部とは言いませんが、
    私も少しですが、わかります。

  2. はるちゃんです。
    お久しぶりです。
    お母様、きっと心の中でお兄様の50回忌をされたのでしょうね。
    私も早産のために、生後2日で娘を亡くしました。2日でも何年も自分の事を責めては涙の日々を過ごしましたから、お母様の心を思うと、お母様の言葉が心に沁みます。
    逆縁は辛いですね。
    親は自分を許さない事で心を保っているんですね。
    なおさんが、側でわかってあげることが、お母様の力になりますね。
    どうか、お母様がお兄様の分もお元気でいらっしゃいますように。

  3. どんです。
    涙が溢れました…
    状況は全く違うけれど
    私の母も許さないことで自分を保ちながら
    許せない自分に縛られ病みかけています。
    『自分を許すのは自分。
    許したかったら 許せばいいし
    まだ 許せないなら そんな自分を許せばいいよ』
    なおさん ありがとうございます。
    私も母のココロに届けられる娘でありたい

  4. はるちゃん
    ほんと、お久しぶり!
    逆縁の悲しみを知っていることが
    はるちゃんの 今を豊かにしている。
    いろんな経験を 笑顔に変えていく
    はるちゃん 一緒にお茶したくなりました:heart:

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