かけはし vol.12
5/34

34123戦争証跡博物館見学カンザー国立公園訪問株式会社ティエラコムと植林活動「ベトナムがいかにしてアメリカと戦ったか、決して忘れてはならない」。若い世代に伝承すべく、現地の子どもたちが社会科見学で幾度となく訪れる場所でもある。 敷地内に入ると、建物の入り口に続く広場に置かれた戦闘機る。また、アメリカ軍がベトナ問・処刑部屋、枯葉剤散布などの攻撃による被害者の写真や実際に使用されていた兵器などの証跡が展示されている。一切修正のされていない生々しい写真や枯葉剤に含まれるダイオキシンの影響による奇形胎児のホルマリン漬けなど、目を背けたくなるような展示物の数々が、戦争の残酷さや理不尽さ、被害者や遺族の無念さ等に対する感情を伴い、圧倒的なリアリティーを持って訴えかけてくる。枯葉剤が自然の生態系に与えた壊滅的な被害とその影響を目の当たりにし、マングローブ植林に取や戦車の実物が目に入ってくム兵を収監していた牢屋や拷り組む意義についても深く考える機会となった。 カンザー国立公園は、ホーチミン市から約60km、車とフェリーを乗り継いで約2時間のところにある。アジア最大級のマングローブ林は1970年代のベトナム戦争時代、米軍による枯葉剤の散布によって壊滅的な被害を受け、一度はすべてが砂漠化した。しかし、その後の地道に続けられた植林活動により、現在では約7万5千ヘクタールに約30種類のマングローブが広がるという見事な復活を遂げている。カンザー国立公園のボートクルーズは、海外からの観光客だけでなく、ベトナムの人々からも愛される観光地として知られている。 カンザー国立公園のマングローブ植林活動は、日本青少年育成協会の増澤空会長が代表を務める株式会社ティエラコムの、長年に渡るサポートが大きな実績を残している。毎年夏休みに塾生たちが「ベトナムマングローブ子ども親善大使」として参加する合宿を1997年より行っており、日本の子どもたちの手によって行う植林活動のバトンをつなぎ続けている。 子ども親善大使たちは、ベトナムの子どもたちとペアを組み、自らスコップを持って穴を掘り、そこに苗木を植えていく。言葉は通じなくても、「植林」という一つの目的に向かって身振り手振りで気持ちを伝え合いながら作業を進めていく。ぬかるんだ地面に悪戦苦闘しながらも、互いに自然と助けの手が伸びる。小さな国際交流の積み重ねによって、一本のマングローブの苗木が国立公園のマングローブ林に大きく成長したのである。 ティエラコムでは、現地に駐在職員を置いて、ベトナムの子どもたちに自然の大切さを伝える勉強会を実施したり、研究者たちの活動の場としてセミナーハウスを提供するなどの支援活動も長年にわたって続けている。日本からベトナムを訪れた親善大使の子どもたち、そしてセミナーハウスで勉強する機会を得たベトナムの子どもたちが、次の時代につなげていく「何か」を見つける体験づくりを支援し続けている。特集HSK日本実施委員会チャリティ企画委員会指導者育成委員会国際交流委員会スポーツ委員会キャリア教育委員会環境教育委員会会員拡大・広報委員会会員・異業種交流委員会Vietnam Report ▶ KECゼミナール 所在地:No.18-20 Road No.5,Residential Him Lam KinhTe,Tan Hung Ward,District 7,HCMCTEL: +84-28-6251-5736 URL: https://www.vietnam-kec.jp/ホーチミン市7区にある、日本人の小学生~中学生を対象とした学習塾。開校して4年目ながら、地域最大規模の学習塾に成長した。全国各地の進路指導に対応したり、治安面からドアツードアでバス送迎をしたりするなど日本での塾経営とは異なる部分も多いが、「日本水準の教育サービスをベトナムでも」をスローガンに、中学受験コース・高校受験コース・プログラミング教室など多種多様な要望に応えるコンテンツを備えている。▶ ONE塾所在地:2F Southern Cross Sky View, CR3-6 CR3-7, Tan Phu Ward, District 7, HCMC TEL : 0120 372 9576小学生~中学生を対象とした個別指導をする進学塾。学習方法だけでなく、自学自習力の養成、学習意欲を引き出す指導ができるプロの講師による指導が特徴。中2までに中3を終了する超先取りコース、苦手やつまずきをそのままにしない逆戻り指導コース、英語文法指導コースなどがあり、幅広いニーズに対応している。▶ 個別指導RENSEI所在地:49 Mac Dinh Chi, Dist. 1, HCMCTEL: +84-28- 3939 0897 URL : http://rensei.com.vn入り込むのは非常に困難と言われているベトナムの教育業界において、独自の手法によるアプローチで現地の子どもたち向けに授業を提供。日本の私塾としては唯一、ビジネス的な成功を収めている。現在ではベトナムの学校教育にも携わるほど、現地からの信頼を獲得している。▶ KEC日本語学校 所在地:6 Nguyen Thi Thap, Khu Do Thi Him Lam, Phuong Tan Hung, Quan 7日本語を学びたいベトナム人を対象とした語学学校として2016年に開校し、日本への留学・就職支援にも事業を拡大している。国の政策の不安定さや役所の対応の不条理さ、離職率の高さなど、国としてはまだまだ多くの問題をはらんでいるベトナムだが、日本からの距離が比較的近く、親日で、日本に対するあこがれも非常に強いのも事実。日本語の学習を通じて、日本とベトナム両国の発展をリードする人材を育成するために、今後も幅広い「教育」事業を展開していく。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る