教育コーチング

日本青少年育成協会

子どものやる気と能力がアップする 教育コーチング (一社)日本青少年育成協会

熊本復興支援ボランティア活動報告特設ページ

日本青少年育成協会 指導者育成委員会では、2016年12月上旬、熊本地震の復興支援活動を実施しました。

教育コーチングの認定トレーナーを中心に計23名が全国各地から熊本に集い、ボランティア活動に取り組みました。

以下にその活動内容をご報告致しますので是非ご覧ください。



活動内容は、大きく分けて3つです。
 1.南阿蘇中学校の先生方へのアクティブラーニング特別セミナー
 2.南阿蘇中学校の生徒たちへの学習支援
 3.大津町・西原村の被災家屋での家財整理・搬出

また、皆様からお預かりした支援金を益城町教育委員会と南阿蘇村教育委員会に寄付したほか、日本青少年育成協会チャリティ委員会から寄贈の競技用ビブスを南阿蘇中学校、一の宮中学校、阿蘇中学校、西原中学校にお渡ししました。

そのほか、書籍『この一冊でわかる!アクティブラーニング』の印税全額を、日本赤十字社を通じて継続的に寄付しています。

12月3日  南阿蘇中学校での活動

活動初日、熊本県南阿蘇村立 南阿蘇中学校へ伺いました。

南阿蘇村は、2016年4月14日から発生した一連の地震により、最大震度6強を受け、大きな被害に見舞われた地域です。いまだ閉鎖が続く道路や鉄道をはじめ、震災の傷跡がまだはっきりと残っていました。



南阿蘇中学校に到着後、当時の被害状況や復旧の現状について校長先生にお話いただきました。幸いにも生徒の皆さんは全員無事でしたが、様々な障害と向き合いながら、今年度を過ごしておられます。




南阿蘇中学校の先生方へのアクティブラーニング特別セミナー

支援活動第一弾として、アクティブラーニングに関する特別セミナーを開催し、先生方に参加していただきました。

授業でもすぐに取り入れることが可能なアイスブレイク「ギョーザじゃんけん」や、アクティブラーニングを理解する上で重要な「3つの学習観の変遷」をジグソー法で学ぶなど、濃い90分。

生徒たちにとってよりよい授業を展開できるよう、先生方は本当に熱心な姿勢で学ばれました。



セミナーで扱いきれなかった点についても、いつでも学びを深めていただけるよう、先生方全員に書籍『この1冊でわかる!アクティブラーニング』を寄贈しました。




南阿蘇中学校の生徒たちへの学習支援

一方こちらの教室では、数カ月後に高校入試を控えた3年生が集まり、自学自習支援とアクティブラーニング型の「ミニ授業」を行いました。

自学自習には、日青協会員でもある熊本の学習塾「なるほどゼミナール」が以前に南阿蘇中学校に寄贈された、育伸社との共同開発教材「Spurt+(スパートプラス)」を用いました。

一人ひとりの学習状況に合わせて、10段階で難易度が示された問題から適切な問題を自ら選んで学習を進めます。

復興支援活動とはいえ、主役は生徒。「人は育とうとする生き物」という信念のもと、教育コーチの私たちは傾聴・質問・承認の姿勢で関わり、生徒の意欲的に学んでいく環境を作りました。



また、途中で何度か「ミニ授業」を挟み、アクティブラーニング型で学び合う時間も作りました。例えば、「抵抗」の考え方について、生徒自ら考えをめぐらせ、豆電球などを用いて実際に体験したのちに、熊本県立高校の入試過去問にチャレンジすることで、暗記ではなく本質を掴んで問題に取り組むことを体感しました。






競技用ビブスのプレゼント

日本青少年育成協会チャリティ委員会より寄贈された競技用ビブスを届けました。
体育や部活で繰り返し使用しても傷みにくい、強い素材のものです。




先生方、生徒の皆さんと過ごした時間はあっという間に過ぎてしまいました。短い時間ではありましたが、力強く前に進んでいる南阿蘇中学校の皆さんから、私たち自身がたくさんのことを学び、そしてパワーを貰う時間になりました。




12月4日 大津町・西原村での活動

この日はあいにくの雨でしたが、熊本県内の大津町と西原村で、被災された家屋の家財整理・搬出・仮設住宅への搬入等を行いました。


被災家屋の家財整理ボランティア

大津町や西原村も甚大な被害を受けた地域です。外観は無事に見える家屋でも、中は大きなダメージを受けていて、柱や床が大きく損傷していたり、大型家具等が倒れたままになっていたりなど、住むことを諦めざるを得ない状態の家が多数あるとのことでした。


取り壊しが決まっている家屋にも、数々の大型家具や思い出の品が残っており、家族だけの人手で安全に作業するのは困難な場合も多くあります。そういったご家庭に、ボランティアセンターからボランティアが派遣され、作業を手伝うのがこの活動です。

私たちが訪問し、作業を手伝ったご家庭の具体的な様子を報告することはできませんが、ボランティアセンターで職員の方から受けたレクチャーが大変印象的でした。




この写真は、ボランティアの姿勢を込めた一文です。

整理作業のボランティアにいくと、悲惨に見える状況を前に、ついつい「ガレキを片付ける」気持ちで一生懸命作業にばかり目が向いてしまいますが、そのご家庭にとっては一つひとつが大切な財産。本当に力になりたいのは、その物の奥にある「人の気持ち」だという姿勢が、この一文に表されています。

この姿勢を忘れてしまうと、「ボランティアの人が来て一気に作業され、気付かないうちに大切なものまで捨てられてしまった」という事態も招いてしまうそうです。

「活動3割、コミュニケーション7割」を心がけてください、ということも教えていただきました。



私たちはいくつかのご家庭に分かれて作業を行いながら、家や思い出の品に込められた想いを一つひとつ丁寧に受け取りながら、寄り添う時間を過ごしました。



寄付等のご報告

今回、支援活動の他、義援金の寄付も行いましたのでご報告致します。


教育支援金の寄付

事前に認定コーチの皆さんからお寄せいただいた支援金 合計60,000円を 益城町教育委員会、南阿蘇村教育委員会にそれぞれ30,000円ずつ寄付致しました。


義援金の寄付

書籍『この一冊でわかる!アクティブラーニング』の印税全額を、日本赤十字社を通じて熊本地震災害義援金として継続的に寄付しております。


熊本城 復興城主

報道にもありましたように、熊本城も大きな被害を受けました。

熊本城の修復を支援する「復興城主」という制度があり、私たちでお金を出し合って、修復を支援することにしました。






今回の一連の活動を通じて、私たち自身にとって多くの学びがありました。

自然と共生していく中で、時に災害によって、かけがえのない命や財産を失ってしまうこともありますが、そのことを一つひとつ受け止めて、前に進んでいく強さが人間にはあります。そんな強さを支援することができたことをとても嬉しく思います。

そして、一日も早い復興と、今回被災された方々が心から安心して暮らせることを、心よりお祈り申し上げます。

日本青少年育成協会 指導者育成委員会






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また、ボランティア活動とは別に、南阿蘇中学校PTAにお招きをいただき、12月8日、90分のパパ・ママコーチング講演会を行いました。200名近い保護者の皆様にお集まりいただき、笑って泣いて語らって……濃密な90分。先生方も一緒にご聴講いただき、大切な子どもを支援する大人たちの思いが1つになりました。