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  教育コーチング


コーチングの歴史

「コーチ( coach )」の語源は「馬車」、つまり「大切な人を目標地点まで送り届ける役割を担うもの」です。スポーツの指導者が「コーチ」と呼ばれるようになったのは 1880 年ごろと言われています。日本のスポーツ界における「コーチ」は、「技術を教える人」というイメージでとらえられがちですが、本来は選手が目標を達成するための支援者です。

1980 年ごろアメリカで、スポーツ界の成功事例をビジネスに応用し、企業や個人が「コーチ」を雇うようになりました。

現在、日本においても、個人の能力開発や目標達成のために、また人材育成手法として「コーチング」は広がり続けています。ビジネスマンから主婦に至るまで、個人がコーチを持つことは特別なことではない、今やそんな時代です。

社団法人日本青少年育成協会では、会員教育機関が研究開発し、大きな成果をあげてきた学校教育や家庭教育のためのコーチングメソッドを、「教育コーチング」「パパ・ママコーチング」として体系化し、教育界に広げる活動を展開しています。

コーチとは?

『インナー・ゲーム』(※)の著者ティモシー・ガルウェイは、「コーチング」を通してスポーツとビジネスの橋渡しをした人物として有名です。ガルウェイは、スポーツにおいてもビジネスにおいても、「学習」と「よろこび」と「成果」のバランスが重要であることを説いています。困難、苦難を突破して目標達成という成果を得るためには、その過程において、学びや気付き、充実感や幸福感が必要不可欠なのです。

「コーチ」はそのことを念頭に置いて「クライアント」(コーチを受ける人=コーチイとも言います)とコミュニケーションを図ります。相手の持てる能力と可能性を信じて、様々なコミュニケーションスキルと感覚を駆使し、相手と一緒になって、目標を設定する、障害を明確にする、アクションプランを練る、進捗状況を確認する、必要な協力体制を作るなど、目標達成のための行動を引き出すサポートをします。

「コーチング」の根本にあるのは「人は、自分の中に答えを持っている」という考え方です。人はもともと「やりたいこと」「やるべきこと」を認識しています。行動が起こらなかったり、行動しても成果が伴わなかったりするのは、何らかの外的・内的要因が存在するためであり、それを取り除けばいいのです。そのための意欲や方法を「コーチ」は相手から引き出します。
(※ W. ティモシー ガルウェイ ( 著 ), W.Timothy Gallwey ( 原著 ), 後藤 新弥 ( 翻訳 ) 日刊スポーツ出版社)

子どもとコーチング

人は、より良く生きようとする意欲や能力をそれぞれに持っています。「育とうする生き物」です。
  もし、意欲が無い、向上心が無い、行動を起こさない等の状況にある人がいたとしたら、その人の中に意欲や能力の発揮を「邪魔している何か」が存在するのです。

ところが私たちは、子どもを目の前にすると、「何も知らない人」「何も持っていない人」つまり「未熟な存在」として解釈し、「教えてやる」「知識を与えてやる」「できるようにしてやる」という姿勢、つまり「ティーチング」のスタンスでかかわりがちになります。それが依存度を高めることにつながったり、「コントロールしよう」−「コントロールされまい」という「力比べ」(下図)から対立や隔絶、意欲喪失に陥ったりすることもあります。



コーチは、相手を信頼し「目標達成」を支援します。「達成」は、コーチが作り出した成果ではなく、あくまで相手が自らの意思と力で手にした成果です。ですから、確かな「喜び」が伴います。この喜びこそが「より以上を目指す」エネルギーの源泉、「育ち」の源泉となります。

また、達成に向かうプロセスの中で、コーチは「教える」ことをしません。多くの「質問」を相手に投げかけるだけです。相手はコーチの質問により、様々なものごとをとらえ、感じ、考えるわけです。それにより、1.目標設定能力、2.自己管理能力、3.問題解決能力、4.行動力・実践力、5.コミュニケーション能力が養われます。まさに「自立」です。

「得たい成果」と「成長」を同時に実現する構造を持っている「コーチング」は、まさに子どもの教育にふさわしいものであるといえます。