ある少年の物語

教育コーチのGです。

東井義雄著【東井義雄「こころ」のおしえ】の中に出てくるお話です。

話の筋は変えずに、文章に少々手を加えました。

【ある少年の物語】

かつてジョージという名の、一人の少年がいました。

この少年、悪さばかりをしており、両親は近所の人からいつも文句を言われる毎日でした。

そして、この少年が悪さをするたびに、両親は泣いてこの少年を諭しましたが、
少年は全く言うことを聞かず、逆に反抗ばかりしていました。

ところがあるとき、少年は家の大切な柱にたくさんの釘が打ち付けてあることに気づき、
その理由を、お父さんに尋ねました。

するとお父さんは、

「おまえが悪さをするたびに、
私は泣きながら自分の胸に釘を打ち込むような思いで
柱に釘を打ち込んできたんだ。」

と言いました。

このとき、少年は初めて自分がやってきたことを後悔し、

「僕はこんなに悪いことをたくさんやってきたのか。
お父さんお母さんをこんなに悲しませてきたのか。」

と気づき、

ここから生まれ変わったように、悪いことをやめ良い行いをするようになりました。

そして、良いことを一つするたびに、
お父さんは柱に打ち込まれた釘を一本ずつ抜いていき、

とうとうある日、すべての釘が柱から抜かれました。

ところが少年は、

「釘はこれですべてなくなったが、釘のあとはいつまでたってもなくならない。
一度やった悪いことは消えずに残っていくんだ。
これからは、絶対に人を悲しませるようなことはしない。」

と心に誓いました。

こののち少年は、悲しんでいる人、苦しんでいる人のために
自分を忘れて尽くしていく人になりました。

そして、1789年4月30日、多くの人々の期待を背負って、

ジョージ・ワシントンは初代のアメリカ大統領に就任しました。

2 thoughts on “ある少年の物語”

  1. りんです。
    思わず、「へぇ〜」と言っていました。
    自ら気付き、そこで誓ったことがあり方になったのですね。
    柱に釘を打つなんて・・・。
    本気ですね。
    子どもは、親の本気度をみていますよね:-(

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